【10月6日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は5日、国際ボクシング協会(AIBA)との接触を凍結していることに加え、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催される夏季ユース五輪において、同協会の会長代行を務めるガフル・ラヒモフ(Gafur Rakhimov)氏の派遣を認めないと表明した。

 実施競技にボクシングも含まれている夏季ユース五輪の開幕を6日に控え、現地ブエノスアイレスで会合を開いたIOC理事会は、AIBAと「接触凍結」の状態にあることをAFPへのコメント文で明らかにした。

「IOCが決議した各項目を実施する上で不可欠な実務レベルの関係者を除き、当委員会はAIBAとのすべての接触を凍結する。従って、ラヒモフ氏のユース五輪派遣は認めない」

 今週に入ってIOCは、ボクシングを五輪種目から除外する可能性と、AIBAの「ガバナンス問題」が解決されない限り2020年東京五輪で同競技を外すとの立場を明確に示しており、それに続く今回の新たな意思表示となっている。

 IOCは3日、ガバナンスの「内容には、会長選の候補者を擁立する上での状況も含まれる」と警告。具体的に名指しはしなかったものの、ラヒモフ氏は米財務省から組織犯罪との関係性が疑われており、その点が問題になるとみられている。また今年2月にも、ウズベキスタン出身の実業家である同氏がAIBAの会長代行に指名されたことにIOCが懸念を示していた。

 来月2日から3日までロシア・モスクワで開かれるAIBAの総会では、ラヒモフ氏の対抗馬として、1980年モスクワ五輪でソビエト連邦代表として銀メダルを獲得したカザフスタン出身のセリク・コナクバエフ(Serik Konakbayev)氏が出馬する予定だった。

 ところがAIBAは3日、会長選に立候補するのはラヒモフ氏のみであると発表。AIBAの規約では候補者が1人の場合、投票は行われないため、ラヒモフ氏が会長に選出される見通しとなっている。(c)AFP