【10月6日 AFP】イタリア・セリエA、ユベントス(Juventus)のスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)の性的暴行疑惑に関して、スポンサーを務めるスポーツ用品大手のナイキ(Nike)が「深く憂慮」していると表明するなか、同クラブは5日、イタリアの株式市場で株価が約10パーセント下落した。

 元モデルのキャスリン・マヨーガ(Kathryn Mayorga)さんから訴えが出された2009年6月の事件に関し、米ラスベガス警察が捜査を再開したことを受け、総額10億ドル(約1100億円)のスポンサー料とうわさされるロナウドとナイキと関係には注目が集まっている。

 ナイキの広報担当者はAFPの取材に対して、「今回の気がかりな疑惑について深く憂慮している。今後も状況を注意深く見守っていく」と述べた。

 1996年以来の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇を目指すイタリア王者のユベントスは今夏、ロナウドがスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)から加入したことにより、ピッチ内外で大きく活気づいた。

■批判を受けるユベントスの反応

 先月20日には株価が1.8ユーロ(約236円)を超える史上最高値を記録していたユベントスだが、5日のミラノ株式市場の終値では、9.92パーセント下落し、1.19ユーロ(約156円)となった。ユベントスはここまでロナウドを擁護する立場を貫いているが、この問題に対するクラブの反応には一部ファンから怒りの声が上がっている。

 ユベントスは前日、チームのツイッター(Twitter)に「クリスティアーノ・ロナウドはこの数か月間、素晴らしいプロフェッショナリズムと献身を示しており、ユベントスの全員がそのことに感謝している」「ほぼ10年前に起きたとされる出来事が、チームの見解を変えることはない。それは、この偉大な王者と触れ合ってきた誰もが共有している」と投稿し、ポルトガル代表FWをめぐる騒動に関して沈黙を破った。

 さらにユベントスは、「ユベントスはゴールを目指す。クリスティアーノ・ロナウドが標的発見!」という表題がつけらた動画をユーチューブ(YouTube)とツイッターに投稿。これに対してソーシャルメディアでは、「ひどく軽蔑的で無神経だ」という批判の声が広く寄せられたほか、「このようなメガクラブからは、もっと気遣いのある繊細なアプローチを期待する」というコメントもみられた。

 6日にウディネーゼ(Udinese)とのアウェー戦を控えるユベントスのマッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督は前日会見で、ロナウドは「よくやっている」とした上で、ウディネーゼ戦でも「プレーする準備は整っている」と話した。また、ロナウドは「落ち着いていた」と明かし、「冷静な様子で、プレーする準備はできている。彼がピッチの内外で見せるプロフェッショナリズムと落ち着きに疑問の余地はない」と続けた。(c)AFP/Emmeline MOORE