【10月4日 AFP】ジャーナリストで作家のマイケル・ウォルフ(Michael Wolff)氏著「炎と怒り(Fire and Fury)」や米連邦捜査局(FBI)元長官のジェームズ・コミー(James Comey)氏著「A Higher Loyalty: Truth, Lies, and Leadership(仮訳:高い忠誠心──真実とうそとリーダーシップ)」、そして米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)記者のボブ・ウッドワード(Bob Woodward)氏著「FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実(Fear: Trump in the White House)」──。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領について書かれたこれら3冊の書籍は、これまでに米国でそれぞれ100万冊以上を売り上げている。予測不能の大統領に対する米国民の関心の高さはかつてないほどだ。

 政治に関する書籍の中で大ヒットしたものは、これまで政治家本人あるいはゴーストライターによって書かれたものが大半だった。バラク・オバマ(Barack Obama)氏をはじめ、ビル・クリントン(Bill Clinton)氏、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏、ジミー・カーター(Jimmy Carter)氏といった歴代の大統領経験者、さらにはヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官、サラ・ペイリン(Sarah Palin)元アラスカ州知事などの書籍も、発売後少なくとも数週間はベストセラー・ランキング1位に輝いている。

 だが、大統領を「描いた」書籍となると、ニクソン政権の劇的な最後を記録したボブ・ウッドワード氏の「The Final Days」が1976年に63万部を売り上げて以降、ベストセラーになったものはなかった。

 ロシアによる米大統領選への介入を題材にした書籍「Russian Roulette(ロシアンルーレット)」の共著者であるデービッド・コーン(David Corn)氏は、現在の政治本ブームについて「驚くことではない」と話す。

 彼は、「多くの米国民の心の中には、(2016年の米大統領選で)何が起きたのか知りたいという強い欲望がある」と述べ、「トランプ政権下のホワイトハウスで何が起きているのか」についても同じだと指摘した。