【10月3日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は2日、今月末に実施される軍事演習「トライデント・ジャンクチャー18(Trident Juncture 18)」に兵士ら4万5000人が参加すると発表した。冷戦(Cold War)後のNATOの軍事演習としては最大の規模になるという。

 ベルギー・ブリュッセルのNATO本部で2、3の両日に行われるNATO国防相会議に先立って記者会見したストルテンベルグ事務総長は、「架空の」敵対国からのNATO加盟国防衛を想定した演習だと述べたが、開催地はロシアと向き合うノルウェー、北大西洋、バルト海(Baltic Sea)となっている。英国、北米、欧州大陸、北欧、スカンディナビア諸国から航空機150機、艦艇70隻、車両約1万台が参加する。

 NATOが行う軍事演習としては、少なくとも1991年のソ連崩壊以降では最多の人員・車両が参加するものとなるが、それでもロシアと中国が先月実施した軍事演習「ボストーク18(Vostok-18)」の規模には及ばない。

 ロシアが2014年にクリミア(Crimea)半島を併合して以降、NATOは軍事態勢を強化し、加盟各国は交代で東欧とバルト三国に駐留部隊を派遣している。トライデント・ジャンクチャーのような軍事演習は、NATO加盟国に対する外部からの介入があった場合に速やかに大部隊を前線に移動させる訓練と位置づけられている。

 ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は訪問先のパリで、フロランス・パルリ(Florence Parly)仏国防相との合同記者会見の席上、「米国は行動し、わが国のNATOに対するコミットメントが今なお強固であることを示してきた」と述べた。(c)AFP