【10月2日 AFP】インド当局は2日、絶滅が危惧されるインドライオンがここ2週間で10頭死んだと発表した。うち4頭が、1990年代にタンザニアでライオン約1000頭を死に至らしめたウイルスに感染していたという。

 西部グジャラート(Gujarat)州のギル国立公園・野生生物保護区(Gir National Park and Sanctuary)は、広さが1400平方キロ超に及び、2015年の統計では521頭のインドライオンが生息していた。同保護区内で先月以降に死んだインドライオンの数は、計21頭に上っている。

 AFPの取材に応じた同州の環境当局者によると、国立ウイルス研究所の調査で、直近で死んだ10頭のうち4頭がイヌジステンパーウイルス(CDV)で死んだと特定されたという。また森林管理当局は、残る6頭はダニの寄生による感染症が死因だったとしている。

 野犬が媒介するCDVは、1994年にタンザニアのセレンゲティ国立公園(Serengeti National Park)で感染が拡大し、約1000頭のライオンが死んだ。

 これを受けて、先月死んだ11頭についても詳しい調査を開始。森林管理当局者は、「専門家チームがウイルス感染の原因を究明している。サラシヤ(Sarasiya)にある草原で21頭全てが死んだため、懸念事項だ」と述べている。(c)AFP