【10月2日 AFP】米国選抜と欧州選抜による男子ゴルフの対抗戦、第42回ライダーカップ(The 42nd Ryder Cup)で米国選抜のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka)が放った打球が直撃した観客が、この事故によって右目を失明したとして、大会主催者を訴える構えを見せている。

 被害者のコリーヌ・レマンデ(Corine Remande)さん(49)は、欧州選抜と米国選抜による2年に1度のイベントを観戦するため、夫と共にエジプトから仏パリ郊外に位置するサンカンタンアンイブリーヌ(Saint-Quentin-en-Yvelines)のル・ゴルフ・ナショナル(Le Golf National)を訪れていた。

 ところが大会初日の6番ホール、ケプカのティーショットが左に反れて大勢のギャラリーの中に飛び込み、レマンデさんの右目を直撃。熱心なゴルフファンであるレマンデさんの休日は、突如として終わりを迎えることになってしまった。

 全米オープン選手権(2018 US Open Championship)覇者のケプカは事故後すぐに謝罪したが、レマンデさんは1日、打球がギャラリーに向かってきたとき、大会スタッフからは何の警告もなかったと主張。病院を退院した際、AFPの取材に対して「明らかに、責任は大会主催者側にある」「ボールが観客の中に落ちてきた際、スタッフは何の警告も出さなかった」と話した。

 その一方で「ゴルファーからの対応には感謝している」と言うレマンデさんは、「気丈に振る舞って、彼が集中力を失わないようにした」「だけどコースから運び出されて以降、主催者からは何の連絡も来ていない」と強調。損害賠償請求を視野に、2日には弁護士に相談する予定だという。「何よりも主催者には治療費を全面的に負担してもらい、感染症のリスクがないようにすることを求める」

 レマンデさんはその場で応急処置を受けた後、パリの眼科に搬送された。医者からはすぐにエジプトに戻ることは控えるよう指示を受け、リヨン(Lyon)にある両親の家に向かった。

 検査結果によると、レマンデさんは「右目の眼窩(がんか)骨折と眼球破裂」が判明し、外科医がどうにか元通りに縫合したという。「医師からは右目を失明したと言われた。それがきょう(1日)の時点で分かっていること」

 欧州ゴルフの管轄団体である欧州ツアー(EPGA)は、AFPが出した電子メールの問い合わせに対して、これから事故について「調査」を行い、「しばらく時間がかかる」と回答している。(c)AFP