【10月1日 AFP】米国防総省は9月30日、中国が領有権を主張する南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)付近を米駆逐艦が航行したことを明らかにした。

 同省関係者はAFPの取材に対し、「米海軍の誘導ミサイル駆逐艦ディケーター(USS Decatur)が『航行の自由作戦(Freedom of Navigation Operations)』を実施」し、「南沙諸島のガベン(Gaven)礁とジョンソン(Johnson)礁の12カイリ(約22キロ)以内を通過した」と認めた。

 さらに、同海域における米軍事作戦はすべて「国際法にのっとって計画されており、米国は国際法が許可する場所であればどこであれ飛行、航行、作戦を展開することを実証している」と述べた。

 陸から12カイリの範囲が領海と広く受け止められており、中国政府は南沙諸島全域の領有権を主張している。

 今回の同艦の航行について、中国は直ちに反応を示していないが、7月に同様の作戦がやはり係争海域の西沙諸島(パラセル諸島、Paracel Islands)周辺で実施された際には、激怒して軍艦や戦闘機を派遣した。

 南沙諸島の北方に位置する西沙諸島は、中国の他、台湾とベトナムも領有権を主張している。(c)AFP