【10月1日 AFP】18F1第16戦ロシアGP(Russian Grand Prix 2018)は30日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)がチームオーダーの助けを得て優勝を果たし、首位に立つドライバーズ選手権争いで2位との差を50ポイントにまで広げた。

 2番グリッドからスタートしたハミルトンは、チームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)の手を借りた。ボッタスはハミルトンのオーバーテークを許すと、さらにタイトルを争うフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)からハミルトンを守った。

 ソチ・オートドローム(Sochi Autodrom)に遅れて到着し、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の元最高責任者バーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)氏の隣でレースの行方を見守ったロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ハミルトンがチームの戦術を最大限利用し、ベッテルを追い抜いていくスリルある光景を目にした。

 ポールポジションからレースをスタートさせたボッタスは、自身の優勝の可能性がなくなることを意味するチームオーダーに従うよう告げられたことに不満を抱きながら、トップと2.545秒差でフィニッシュ。ハミルトンはレース後、その状況に気まずさを感じているようだった。

 ベッテルは3位でフィニッシュし、選手権争いでハミルトンとの差をさらにつけられる結果となった。

 ハミルトンにとってロシアGPでの優勝は3度目。ここ6戦で5勝目を手にして、キャリア通算70勝目を記録し、今季5戦を残して5度目の年間優勝に向け弾みをつけた。

 ハミルトンは「実際はとても難しい一日だった」と振り返り「バルテリはこの週末を通して、とても素晴らしい仕事をした。私にポジションを譲るなんて間違いなく紳士だ…それが彼にとってどれほど難しいことだったか想像できる」と続けた。

 しかし、当然のことながらボッタスは素っ気ない様子で「チームとしては良い結果だった。しかし、みんなが目にしたように難しいレースだった」と述べた。

 フェラーリのキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)が4位でフィニッシュし、この日21歳の誕生日を迎えたレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)は、19番グリッドからスタートするも一時は首位に立つなど熱のこもったドライビングをみせて5位に入った。

 また、ルノー(Renault)への移籍が決まっているレッドブルのダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)が6位、フェラーリに移籍することが決まっているザウバー(Sauber)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)が7位に入った。

 さらに、ハース(Haas F1 Team)のケビン・マグヌッセン(Kevin Magnussen)が8位、新チームを探しているフォースインディア(Racing Point Force India)のエステバン・オコン(Esteban Ocon)が9位、そしてチームメートのセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)が10位に続いた。(c)AFP