【9月30日 AFP】世界で最も乾燥した砂漠の岩に描かれた絵は、1000年の歳月をへてきたこの荒涼の地にとって、いかにリャマが文化的に重要な動物であるかを示している。

 チリのアタカマ砂漠(Atacama Desert)で活動する自然保護活動家らは、タイラ渓谷(Taira Valley)の岩壁画を世界遺産(World Heritage)に指定するよう、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)に求めている。

 1944年、スウェーデンの考古学者スティグ・ライデン(Stig Ryden)氏によって再発見されたタイラの岩壁画は、2400~2800年前に描かれた。アタカマ砂漠を横切るロア(Loa)川の河岸、標高3000メートルを超える場所にある「ギャラリー」は、16枚の壁画からなる。

 ここに描かれたリャマたちは、砂漠の住民にとって何千年もの間、主要な富の供給源だっただけでなく、アンデス(Andes)山脈全体で、「ウィランチャ(Wilancha、いけにえ)」や「パチャママ(Pacha Mama、母なる大地)」と呼ばれる儀式に用いられてきた。(c)AFP/Ana FERNANDEZ