【9月30日 AFP】米証券取引委員会(SEC)は29日、証券詐欺行為があったとして提訴していた電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)氏と和解したと発表した。マスク氏がテスラの会長を退任し、マスク氏個人とテスラがそれぞれ2000万ドル(約23億円)の制裁金を支払うことで合意した。

 SECによると、この措置は裁判所の承認を経て実施される。マスク氏はテスラの最高経営責任者(CEO)にはとどまるが、3年間はテスラの会長に就任できない。マスク氏の後任として「独立した会長」が就くほか、テスラが2人の「独立した役員」を任命するという。

 マスク氏は8月7日に、テスラ株を1株420ドルで買い取って同社を非公開化するための資金を「確保した」とツイッターに投稿。SECはマスク氏がこのツイートによって投資家を欺き、同社の株価を急騰させたとしている。

 マスク氏は先見の明があると称賛されることも多いが、深夜にポッドキャストで配信されたインタビュー番組の最中にマリフアナ(大麻)を吸っているとみられる場面が流れたり、タイの洞窟で少年らの救出に貢献した英国人ダイバーを小児性愛者などと罵倒したりして物議も醸していた。今回の証券詐欺の一件でマスク氏の言動にはさらに厳しい目が注がれそうだ。(c)AFP