【9月29日 時事通信社】中高生のヘアスタイルは校則で縛らず、自由に-。韓国のソウル市教育庁は、来年から中学・高校生が自由に髪を染めたり、パーマをかけたりできるよう、髪形や色を規制する校則の撤廃を勧告した。生徒の個性を尊重する試みだが、教育現場の教師からは懸念の声も上がっている。

 ソウル市の教育行政トップ、チョ・ヒヨン教育監が27日に勧告を発表。ヘアスタイルの「自由化」で「学生の民主的かつ自律的な生活文化をつくりたい」と訴えた。学校ごとに生徒や保護者を交えた討論会などを開き、来年上半期にも校則を変更するよう求めている。

 ソウル市は2012年、「学生人権条例」を制定。生徒は「自身の個性を実現する権利を有する」とし、校長や教師が生徒の意思に反して服装やヘアスタイルなどを「規制してはならない」と定めた。チョ氏は、条例の理念からも「(学生の)権利を保障すべきだ」と強調している。

 ただ、ソウルの高校に勤める女性教師(38)は、「化粧やパーマの問題で生活指導が難しいのは事実だが、最低限の学生らしさがあるから、勉学の雰囲気を保てる」と規制の必要性を説明。中学の女性教師(26)も「授業の雰囲気がさらに乱れる。現場にしわ寄せがくる」と心配した。

 学校でのヘアスタイル規制撤廃は、1990年代ごろから議論が拡大。05年には高校教師が規則に反した生徒の髪を強制的に切り、国家人権委員会が「教育目的上、必要最低限の範囲内」で規制するよう勧告したこともある。

 ある父母会が6~7月、全国200の中学・高校を対象に実施した調査では、髪形や色について規制している学校は176校(88%)に上った。(c)時事通信社