【9月29日 AFP】米サウスカロライナ州で28日、米軍のステルス戦闘機「F35」1機が訓練中に墜落し、大破する事故があった。当局が明らかにした。操縦士は無事脱出したという。

 F35は史上最も高額な航空機。開発では困難が続いてきたが、同種の事故はこれが初めてで、今回の事態は痛手となる。

 海兵隊の発表によると、墜落したのは海兵隊が保有するF35で、場所はサウスカロライナ州のビューフォート海兵隊航空基地(Marine Corps Air Station Beaufort)付近、時刻は28日午前11時45分(日本時間29日午前1時15分)ごろだった。

 事故現場の様子としてソーシャルメディア上に投稿されている画像には、黒煙が上がっている様子が写っている。F35には空軍型、海兵隊型、海軍型の3種類があり、墜落したのは、短距離での離陸と垂直着陸が可能な海兵隊型のF35Bだった。ビューフォート郡保安官事務所は、操縦士は無事脱出し、けがの診察を受けていると述べた。

 F35の価格は機体によっても異なるが、1機あたり1億ドル(約110億円)前後。ただし、今後製造される機体の価格はわずかに下がると見込まれている。

 開発の遅れや予算超過といった問題が続いてきたF35は27日、米軍では初となる戦闘任務に投入されたばかりだった。この任務では海兵隊の複数のF35がアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)を攻撃した。

 F35は1990年代初めに開発が始まった戦闘機で、米史上最も高額な兵器とされており、今後の製造目標は2500機。調達費用は推計で約4000億ドル(約45兆円)、保守・維持費用なども含めた総費用は、2070年までの運用期間の合計で1兆5000億ドル(約170兆円)に上る見通し。(c)AFP