【9月28日 AFP】中国・香港の男性1人が、ラット由来のE型肝炎ウイルスに感染していることが世界で初めて確認された。香港大学(University of Hong Kong)が28日、明らかにした。

 同ウイルスがラットからヒトに感染し得ることを示す証拠は過去には見つかっておらず、今回の発見は「公衆衛生上大きな意味を持つ」と同大は警鐘を鳴らしている。

「これによりラットE型肝炎ウイルスがヒトに感染し、症状を呈するに至る可能性があることが、世界で初めてはっきりと実証された」としている。

 同大によると、同じE型肝炎ウイルスといえども、ラット由来とヒト由来では大きく異なるという。

 今回ラットE型肝炎ウイルスが検出されたのは、肝臓移植の後、肝機能検査で繰り返し異常が認められた56歳の男性。

 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)は、男性はネズミのふんに接触した食べ物を摂取したことで、ウイルスに感染した恐れがあると報じている。

 同紙によると、男性は団地に住んでおり、自宅の外にネズミの大発生を示す形跡が複数見られたとしている。ただ男性は治療を受け、快方に向かっているという。(c)AFP