【9月28日 AFP】米大リーグ(MLB)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のC・C・サバシア(C.C. Sabathia)は、27日に12-1で大勝したタンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)戦でボーナスよりもチームの連帯感を尊重し、相手打者に死球をぶつけて退場処分となった。

 6回表、レイズのアンドリュー・キタリッジ(Andrew Kittredge)がオースティン・ロマイン(Austin Romine)の頭部後方に速球を投げると、その裏サバシアはレイズの捕手ヘスス・スクレ(Jesus Sucre)の大腿(だいたい)部に明らかに報復と思われる死球を当て、この回で退場になった。

 サバシアにとってこの日のレイズ戦はレギュラーシーズンで最後の先発予定試合となっており、50万ドル(約5600万円)の成果ボーナスを受け取ることができるシーズン通算155イニング登板の達成まで、あと2イニングと迫っている状況での途中退場となった。

 サバシアは「あまりお金のことを考えて決断を下せないんだ。おそらくね」と話し、「ただ流れに身を委ねた。行うべきことをした」と続けた。

 キタリッジの投球は、5回裏にサバシアがジェイク・バウアーズ(Jake Bauers)の手に死球を当てたことに対する報復であるように思われており、すぐに両チームには警告が与えられ、これがサバシアが退場するきっかけとなった。

 サバシアはマウンドを降りながら何かを口にし、レイズのベンチを指さしていた。

 キタリッジがロマインの頭部付近に投げたボールについて、サバシアは「全員があの投球に腹を立てていたと思う」とコメント。さらに「味方選手の安全が冒されると、どんな選手だって腹を立てる。全員がそうだった」と続けた。

 サバシアは5回を投げ被安打1、奪三振5の投球。仮にヤンキースのアーロン・ブーン(Aaron Boone)監督がこの後敵地でのボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)との連戦でサバシアをリリーフとして2イニング起用すると、理論上はボーナスを手にすることができる。

 ヤンキースはミゲル・アンドゥハル(Miguel Andujar)とルーク・ヴォイト(Luke Voit)がアーチを放つと、ジャンカルロ・スタントン(Giancarlo Stanton)もスタンド後方まで飛ぶ本塁打を2本打ち、ヤンキースは今季3試合を残した状況でシーズンの総本塁打数が260本に到達した。

 1シーズンにおける1チームの最多総本塁打数は1997年にシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)が記録した264本となっているが、ヤンキースはオークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)とのア・リーグのワイルドカードでホーム開催というアドバンテージを得るためにボストンに向かうと、スタントンは語った。

 ヤンキースがあと1勝を挙げるかアスレチックスが1敗をすれば、ヤンキースは本拠地でワイルドカード・ゲームを行うことができる。(c)AFP