【9月27日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は26日、国連安全保障理事会(UN Security Council)で初めて議長を務めたが、自らが掲げる強硬な対イラン政策について非難を浴び、米国とその他の理事国との溝が浮き彫りとなった。

 トランプ氏は、2015年のイランとの核合意について「とてもひどい、一方的なものだ」と主張。米国はイラン核合意を今年5月に離脱し、欧州同盟諸国の落胆を招いている。

 これに対しフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、イラン関連の問題は「制裁と封じ込めの政策」では対処できないと反論。また英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相もイランとの核合意を擁護し、安保理決議で支持された同合意は「イランの核兵器開発の阻止に依然として最善の効果がある方法」だと言明した。

 さらに中国の王毅(Wang Yi)外相は「全ての国が、イランと貿易を行う権利を尊重されるべき」だと強調した。これに先立ち欧州連合(EU)はイランとの取引関係を維持するため、特別な支払いシステムの設置を決定している。

 イランは安保理では発言の機会を求めなかったものの、ハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は別の記者会見で、米国は最終的には核合意に再び加わることになるだろうと述べ、イラン政府は引き続き合意を維持していくと誓った。またロウハニ師は「米国の大統領は、まさに自分自身が議長を務める安全保障理事会の決議に対する不支持を、他の加盟各国に求めている」と述べ、「孤立しているのはわが国ではなく米国だ」と皮肉った。

 トランプ氏はまた中国にも矛先を向け、拡大を続ける米中間の貿易戦争に触れ、中国政府が報復として11月の米中間選挙でトランプ氏率いる与党・共和党が不利になるよう画策しているとの批判を展開した。これについて中国の王毅外相は「正当な理由を欠く」主張だと反発した。(c)AFP/Carole LANDRY