【10月6日 東方新報】中国・湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)の小学校で出された夏休みの宿題が、インターネット上で話題になっている。子どもに答えを書かせる宿題ではなく、子どもと親が一緒に、21日間怒らない「挑戦」を行ったのだ。

 宿題の発案者は、武漢市武昌区(Wuchang)中華路小学校3年1班の担任教諭程紅(Cheng Hong)先生だ。クラスの児童44人全員に与えられた特別な宿題。決して長くはない21日間だが、大部分の家庭にとっては難しかったようだ。この挑戦に成功したのは、わずか一組の双子と親のみ。程先生によると、親が怒ってしまった原因の8割は宿題によるもの。親の怒る比率は子どもより25%も高かったという。

 宿題に参加した親の多くが、宿題の統計データから、家庭生活の中で親が怒る比率が子どもらより明らかに高く、子どもの精神状態は、親の影響を受けやすいことが分かった、と率直に語ってくれた。宿題を一緒にやることによって、自分と子どもが互いに分かり合え、日常生活の中で精神状態を管理することがいかに重要かを改めて認識したという。

 子どもと親らは気持ちの記録用紙をまずダウンロードし、毎日、家庭内の精神状態の「晴雨表」を記録する。晴雨表には、「晴れ」「曇り」「小雨」「大雨」の4種類の選択項目があり、その後ろに「原因分析」と「調整対策」の欄があり、親と子どもが当日の状態について分析と記録を書き入れるようになっている。

 子どもらの「21日間怒らない」挑戦はインターネットに公表されると、あっという間にネットユーザーらの注目を浴びることとなった。「21日ではなく21時間でも難しい」とコメントしたユーザーや、「こんな挑戦は不必要だ。生活は仕事ではない。怒りや不満があれば発散したほうが健康だ」と言う人もいた。

 ネットユーザーからのコメントに対し、程先生は、「21日怒らない挑戦」は親と子どもが生活の中で、怒らず、摩擦もない完璧な状態を求めたのではない」、「一人一人の家族の精神状態の家全体に対する影響に意識し、どうしたら共に気持ちよく過ごせるか学ぶことが主旨だ」「この挑戦によって、親と子どもがなるべく怒らず、傷つきあうことが少なくなるように、と望んでいる」と語った。(c)東方新報/AFPBB News