【9月26日 AFP】インドでは、民間医療機関の医師の多くが結核の兆候を見逃し、患者に不適切な治療を提供していることが、症状を演じる患者役として雇われた人々に関する25日発表の最新調査で明らかになった。

 インド、中国、インドネシアなどの国々では、空気感染する感染症の結核が今なお重大な公衆衛生問題の一つとなっている。

 世界保健機関(WHO)によると、2017年の結核による死者は170万人。国連(UN)では26日、結核根絶の対策資金拡充を目的とする保健関連のハイレベル会合が開かれる予定だ。

 だが、少なくとも今回の調査を実施したインドの大都市ムンバイ(Mumbai)と東部パトナ(Patna)の2都市では、せきをし始めた患者を診察する初期診療の担当医師らがボトルネックになっている。

 米慈善財団「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)」から資金提供を受けた今回の実験は、カナダのマギル大学(McGill University)、世界銀行(World Bank)、米ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)などの研究チームが主導した。研究結果は米オンライン医学誌プロス・メディシン(PLOS Medicine)で発表された。

 実験は2014~2015年の10か月間にわたって行われた。24人の「偽患者」が民間医療機関の医師1288人の診察を受け、単なるせきから再発の可能性を示すせき込みまでのさまざまな症状を演じてみせた。