【9月26日 AFP】イングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup 2018-19)は25日、3回戦が行われ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)が退場者を出した末、PK戦で2部のダービー・カウンティ(Derby County)に敗れる波乱があった。マンチェスター・シティ(Manchester City)は快勝で16強入りを果たした。

 かつてチェルシー(Chelsea)を率いたジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督と、チェルシーで選手時代を過ごしたダービーのフランク・ランパード(Frank Lampard)監督の対決となった一戦は、両チーム2-2で迎えたPK戦で、ユナイテッドの8人目のキッカーのフィル・ジョーンズ(Phil Jones)が失敗。7-8で敗れ、モウリーニョ監督は先発9人を変更した代償を支払うことになった。

 モウリーニョ監督は「PK戦になれば誰かが必ずミスをする。ジョーンズのところでまずいことになる気がしていた」と自軍の選手を批判するようなコメントを残した。

 またこの日は、モウリーニョ監督とポール・ポグバ(Paul Pogba)との冷え切った関係が改めて大きく取り沙汰された。ポグバは昇格組のウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)と引き分けた22日のリーグ戦の後、チームの戦い方に不満をこぼしており、モウリーニョ監督はポグバからゲームキャプテンの座を剥奪したことを認めた。

 監督は「ポグバは今後、第2キャプテンを務めないという決断を私が下した。それが唯一の真実だ」とコメント。ポグバはこの日のメンバーには入らなかった。

 ユナイテッドは開始わずか3分、チェルシーでランパード監督とも同僚だったフアン・マヌエル・マタ(Juan Manuel Mata)がチームでのうまい崩しから先制点を決め、サブ組によるチーム力の底上げに期待を抱かせた。

 ところが、週末のリーグ戦とまったく同じメンバーで臨んだダービーも、後半にリバプール(Liverpool FC)から期限付きで加入しているハリー・ウィルソン(Harry Wilson)が見事な直接FKを決めて追いついた。

 さらにその少し後、ユナイテッドはウィルソンの飛び出しを阻もうとしたGKセルヒオ・ロメロ(Sergio Romero)がペナルティーエリア外で手でボールを扱い、一発レッドカードで数的不利に陥ると、85分にはダービーのジャック・マリオット(Jack Mariott)にヘディングシュートを決められて逆転を許した。

 それでも、試合終了間際に長身のマルアン・フェライニ(Marouane Fellaini)が起死回生のヘディングシュートを決め、同点に追いついたユナイテッドだったが、迎えたPK戦では交代で入っていたGKリー・グラント(Lee Grant)が相手のPKを1本も止められず、両チーム合わせて15人が成功した末にジョーンズがついにキックを失敗してしまった。

 ユナイテッドはリーグ戦でも首位リバプールに早くも勝ち点8差をつけられており、苦しいシーズン序盤戦が続いている。

 一方のランパード監督は、選手時代の数々の栄光と比べて今回の勝利の味はどうかと問われ、「トップクラスだ」と答えた。

「オールド・トラフォード(Old Trafford)に乗り込んで、ジョゼ・モウリーニョや世界一流の選手たちと対戦したのだから、やってやったという気分だ。達成感は非常に大きい。信じられない気持ちだ」

 シティもリーグ戦から大幅にメンバーを変更したが、こちらはU-19イングランド代表のフィル・フォーデン(Phil Foden)の活躍もあって3部のオックスフォード・ユナイテッド(Oxford United)に3-0で快勝。ジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督はモウリーニョ監督よりもはるかに気が楽な夜を過ごした。

 フォーデンは「子供の頃からずっとシティサポーターだったし、この瞬間を夢見ていた。一生忘れられない瞬間になった」とコメントした。

 シティは試合を支配しながらも前半はガブリエウ・ジェズス(Gabriel Jesus)のヘディングによる1点にとどまったが、週末のリーグ戦で加入後初ゴールを含む2得点を挙げていたリヤド・マフレズ(Riyad Mahrez)が78分にカウンターから追加点を挙げると、アディショナルタイムには個人としても輝いていたフォーデンがトップチーム初ゴールを決めて駄目を押した。(c)AFP/Kieran CANNING