【9月26日 東方新報】新エネルギー自動車業界の発展に伴い、中国の電気自動車(EV)の販売台数は3年連続で世界のトップだ。充電器や充電スタンドなどの充電施設は、EVにとって最も重要だ。

 中国国務院の定めた充電施設の発展加速化に関する意見書によると、2025年にはEV500万台の充電ニーズに応えなければならず、そのために、充電器480万台と充電スタンド1万2000か所を新規に配置する、としている。

 2014年以来、充電器産業は高速発展段階に入り、多くの充電器メーカーが誕生した。しかし、EVのオーナーは充電する場所に困り、メーカーは経営難に陥るなど、新エネルギー産業の発展を阻害する事態が生じている。

■たくさんあるように見えるが、使えるものはわずか

「私の家の周辺には充電スタンドが数十か所あり、各社の充電器が設置されているが、実際に皆が頻繁に使うところはせいぜい数か所だけだ」と、北京市朝陽区(Chaoyang)の住民、王晨さんは言う。

「充電器の多くはショッピングセンターの駐車場内に設けられている。買い物のついでに、という考え方は理解できるが、毎日買い物に来ることはありえない」。王さんは、スマホ画面に表れた地図上の赤い点を指で指し示しながら、「ショッピングセンターの駐車場で充電するためには、まず駐車料を払わねばならない。コストに敏感なEV車オーナーにとっては割が合わない」という。

「みんなが気にするのは、充電速度と価格。国営の電力サービス「国網」の急速充電器は他の民営の充電施設に比べ、充電速度が速く、価格も低い」「毎日、退勤後にみんなが並んで充電するのは、ここだけだ」

 記者が北京市で調査した結果、公共の充電施設は、数は沢山あるが、利用率は10%を下回る。充電専用アプリを使って稼働状況を見ると、故障で長い間使っていないものや「充電成功記録ゼロ」のものが少なくない。