【9月25日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の年間表彰式が24日、英ロンドンで行われ、男子の年間最優秀選手賞にルカ・モドリッチ(Luka Modric)が選出された。これにより、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)とリオネル・メッシ(Lionel Messi)の10年にわたる独占の時代が終わりを迎えた。

 モドリッチはスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)の一員として欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)3連覇を達成し、W杯ロシア大会(2018 World Cup)ではクロアチア代表を初の決勝進出に導くなど活躍した。

 モハメド・サラー(Mohamed Salah)とロナウドを抑えての受賞となったモドリッチは、「素晴らしい気分だ。皆さんが尽力してくれたおかげだ。本当に多くの人が協力し、私の力になってくれた」と感謝の気持ちを述べた。

 一方、受賞を逃したロナウドはメッシと共に表彰式を欠席。モドリッチの受賞により、受賞回数5回で並んでいる両選手は26日の試合に向けて調整中だが、長い間同賞を独占していただけに今回の決断は批判を呼んでいる。しかし、モドリッチは「どの選手にもそれぞれ理由がある」と擁護し、「もちろん彼らにもこの場所にいてほしかったが、いないというのが現実だ」と続けた。

 今年7月にロナウドがイタリア・セリエAのユベントス(Juventus)に移籍するまで、モドリッチはレアルで共にプレーしていたポルトガル代表FWの得点力の前に影を潜めてきたが、33歳という年齢で迎えたW杯で母国クロアチアが決勝に進出し、その輝かしいキャリアは集大成を迎えた。

 モドリッチはW杯ロシア大会で2得点を挙げ、PK戦にまでもつれこんだデンマーク戦とロシア戦ではキックを成功させたが、W杯の大会最優秀選手(MVP)を勝ち取る上で注目を集めたのは試合を組み立てる能力だった。

 モドリッチは「信じられないようなシーズンだった。人生最高のシーズンだった」「チーム、そして個人としてどれほど素晴らしい一年であったか、いまだに自覚しきれていない。今年成し遂げた全てのことを非常に誇りに思うし、永遠に記憶に残るだろう」と話した。

 ロナウドは昨季の欧州チャンピオンズリーグで15得点をマークして6季連続の得点王に輝いただけでなく、W杯でも3-3に終わったスペインとのしびれるような初戦でハットトリックを記録するなど計4ゴールを挙げた。しかし、ポルトガル代表はベスト16でウルグアイに敗れ、チャンピオンズリーグでも準決勝と決勝でゴールを決められなかったことが、モドリッチの受賞を後押しする形となった。

 サラーも同じく受賞を逃したが、昨年12月に行われたエバートン(Everton)とのマージーサイドダービーで決めた得点が2018年の最優秀ゴール「FIFAプスカシュ賞(FIFA's Ferenc Puskas Award)」に選ばれている。

 国際プロサッカー選手協会連盟(FIFPro)のベストイレブンには、モドリッチをはじめセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)やラファエル・バラン(Raphael Varane)、マルセロ(Marcelo Vieira Da Silva Junior)らレアルの選手が選ばれたほか、ダビド・デ・ヘア(David de Gea)やダニエウ・アウベス(Daniel Alves)、ヌゴロ・カンテ(N’Golo Kante)、エデン・アザール(Eden Hazard)、キリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)、メッシ、ロナウドが名を連ねた。

 年間最優秀監督賞にはW杯でフランスを優勝に導いたディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が選ばれている。選手、指揮官の両方でW杯優勝を経験したデシャン監督は、クロアチア代表を率いるズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalic)監督、レアル・マドリードでチャンピオンズリーグ3連覇を達成したジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏を退けての受賞となった。

 最優秀ゴールキーパー賞は、W杯でベルギー代表の準決勝進出に貢献し、チェルシー(Chelsea)でイングランドFAカップ(FA Cup 2017-18)のタイトルを獲得したティボー・クルトワ(Thibaut Courtois)が獲得した。

 女子年間最優秀選手賞には、女子コパ・アメリカ2018(2018 Copa America Femenina)を制したブラジルのマルタ(Marta)が選出された。マルタはオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)のアーダ・ヘーゲルベルグ(Ada Hegerberg)とジェニファー・マロジャン(Dzsenifer Marozsan)を抑えての受賞となり、これが歴代最多6度目の栄冠となる。

 また女子の年間最優秀監督賞には、リヨンを欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Women's Champions League 2017-18)優勝に導いたレイナルド・ペドロス(Reynald Pedros)監督が選ばれ、日本代表の高倉麻子(Asako Takakura)監督は受賞を逃した。(c)AFP/Kieran CANNING