【9月25日 AFP】反体制派が支配するシリア北部の村で、子どもたちが床に座り、その日の授業を熱心にノートに書き込んでいる。ここは、アレッポ(Aleppo)県西部の未完成の別荘を校舎にした間に合わせの学校で、4人の教師の下、6~12歳の子どもたち約100人が学んでいる。

 別荘の壁はむき出しのままで、子どもたちはシートや質素なカーペットに座ったり、横たわったりしている。脇には小さなリュックサックが置かれている。

「希望の芽(Buds of Hope)」と名付けられたこの学校は、机も、図書館も、きちんとしたトイレさえもない。だが、セメントの壁にぽっかり開いた窓の松の木の向こうから、そよ風が流れ込む。

 水色のTシャツにジーンズ姿のはだしの女の子が、本に覆いかぶさるようにしながら、几帳面に文字を書き込んでいる。

「ここは学校じゃない」。11歳のアリ・アブデル・ジャワド(Ali Abdel Jawad)さんは話す。「教室も、椅子も、何もない。床に座っている」

 子どもたちも教師も、7年におよぶ内戦によりシリア各地から追われてここに来たと、教師の1人がAFPに説明した。一部の子どもたちが住んでいた首都ダマスカス近郊の東グータ(Eastern Ghouta)は、反体制派の拠点となっていたが、政権軍が4月、反体制派の激しい抵抗を抑え降伏させ、奪還を果たした。この他に、ハマ(Hama)やホムス(Homs)から逃げてきた子どももいる。

 反体制派が掌握する地域にある学校は、通常援助機関の支援により建てられているが、過去に爆撃の被害を受けたこともある。

「私たちは常に、爆撃と取り巻く環境全般に恐怖を抱いている」と、教師の1人は話した。(c)AFP