【9月24日 AFP】人道危機の状況下でまず犠牲になるのは少女たちだ、との調査報告を23日、国際人道支援団体プラン・インターナショナル(Plan International)が発表した。少女たちは強制結婚や就学の機会を奪われるなどさまざまな虐待に遭い、紛争の中で命を落とす確率は少年たちと比べて14倍も高いという。

 プラン・インターナショナルは、世界でも「特に不安定な地域」3か所で少女たちが直面する運命について調査した結果を24日に国連(UN)で報告する。調査対象は、ミャンマーから逃れてバングラデシュの難民キャンプに暮らすイスラム系少数民族ロヒンギャの少女たち、アフリカのチャド盆地(Chad Basin)の少女たち、そして南スーダンの少女たちだ。

 調査報告では「強制結婚、誘拐、暴力、性的虐待、奴隷化」の状況や、教育を受ける機会が大幅に逸失している事実を詳しく述べている。

 ウガンダでは、人口過多の難民キャンプで南スーダンから逃れてきた10~19歳の少女ら249人に聞き取り調査を行った。少女たちは「家庭内でもコミュニティーの中でも絶え間なく暴力が続き、その状態が当たり前になっている」と語った。

「驚くべきことではない。なぜなら南スーダンの紛争はまん延する残虐行為が特徴で、女性や子どもに対する極端な暴力の度合いも際立って高いからだ」とプラン・インターナショナルは指摘。調査を行った前年には「4人に1人の未成年が少なくとも1度は自殺を考えた」と付け加えた。

 チャド盆地については、世界最悪の人道危機に見舞われていると説明。調査に応じた10代の子どもたちの3人に1人が自宅にいても安心できないと答えたほか、5人に1人が調査前1か月以内に殴られたと答え、10人に1人は性的虐待を受けていたと話した。ナイジェリア、ニジェール、カメルーンで聞き取り調査に答えた少女449人のうち、3分の2は紛争のため父親と離ればなれになっており、両親ともいない事例も30%に上った。

 調査対象となった少女の62%は食料が足りていないと答えた。これは、少女たちが闇市場で働くか、まきや水を得るため長距離を行き来しなければならないことを意味する。こうした状況は余計にハラスメント(いじめ・嫌がらせ)や暴力の危険に少女たちをさらす。

 また、不安感は多くの少女たちに学校への行き帰りに何が起こるか分からないという恐怖を抱かせ、進学をあきらめさせてしまうことにもなる。学校教育が制限されている背景には、早婚や強制結婚の慣習もある。14~15歳の若さで結婚させられる少女が多く、ニジェールでは75%もの少女が18歳の誕生日を迎える前に結婚している。

 ミャンマーとの国境沿いにあるバングラデシュ・コックスバザール(Cox’s Bazar)のロヒンギャ難民キャンプでも、少女たちは教育の機会を奪われている。少女たちの約3分の2は飢えや暴力、レイプ、誘拐、強制売春など数多くの理由で学校教育を受けられていないと答えた。13~15歳の少女の5人に1人は強制結婚させられていると、プラン・インターナショナルは指摘している。(c)AFP