■「米国に追従する中東諸国政府の陰謀」

 アフワズが位置する西部フゼスタン (Khuzestan)州はイランと国境を接し、イスラム教スンニ派(Sunni)がほとんどの大規模なアラブ人コミュニティーがある。過去には分離独立派による暴動が起きており、イランは中東の対立国の仕業だと非難していた。

 ISは傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)を通じて、IS戦闘員がイラン南部アフワズでイラン軍の集まりを攻撃したとする犯行声明を発表した。

 イスラム過激派のウェブサイトを監視する米テロ組織監視団体SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)によると、ISはイランの中東全域における紛争への関与に対する報復としてこの襲撃を行ったと主張しているという。

 イラン国営テレビは、29人が死亡、57人が負傷したと報じている。国営イラン通信(IRNA)によると、死者の中にはパレードを見物していた女性や子どもも複数含まれているという。

 イラン革命防衛隊は、武装集団に資金を提供したとしてサウジアラビアを非難した。イスラム教スンニ派が多数を占めるサウジは、イスラム教シーア派(Shiite)が多数を占めるイランの最大のライバルだ。

 イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師も、「米国に追従する中東諸国政府の陰謀だ。彼らの目的は、愛するわれらが祖国を不安に陥れることだ」と述べ、対立する親米諸国を非難した。

 映像前半は、襲撃を行った武装集団に向け発砲する治安部隊。(c)AFP/Amir Havasi