【9月23日 AFP】欧州連合(EU)離脱をめぐる英政府の方針を批判している複数の政党関係者が22日、完全なブレグジット(英EU離脱)を求める集会を開催した。

「ブレグジット救済運動」と称する集会の第1回は、EUへの反対世論が根強い北西部ボルトン(Bolton)のサッカー場で開かれた。集会は、離脱後もEU加盟諸国との緊密な貿易関係を維持したいテリーザ・メイ(Theresa May)首相に反対する英独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)元党首や、デービッド・デービス(David Davis)前EU離脱担当相が出席し、1時間20分にわたって行われた。

 ボルトンの集会は英メディアの注目を集めたとは言い難いものの、英国がEUから離脱する予定の来年3月29日が刻々と近づく中、メイ首相が国内外で逆風にさらされている状況を浮き彫りにした。集会に参加した「離脱派」は、メイ首相がEUに譲歩し過ぎていると認識している。

 EU加盟国の首脳らは20日、オーストリアのザルツブルク(Salzburg)で非公式会議を開き、EU離脱後の貿易関係や英領北アイルランドの国境管理問題に関するメイ首相の提案を拒否した。EU側は、メイ首相は英国がEUの規則に縛られることなくEUとの自由貿易の恩恵だけを受けることを望んでいる、と考えている。

 非公式会議の期間中、欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)は、トレーに乗せたケーキをメイ首相に差し出している自身の画像をインスタグラム(Instagram)に投稿。「ケーキをいかがですか?チェリーはありませんが」と、英国の「チェリーピッキング(いいとこ取り)」を当てこすったと取れるキャプションを付けた。

 投稿がネット上に拡散したことを受け、ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)英外相は22日、トゥスク大統領がメイ首相をからかったことで「英国民を侮辱した」と批判した。(c)AFP