【9月22日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は21日、連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏(53)から性的暴行を受けたと告発している女性について、これまでの控えめな態度を一転させて非難した。

 トランプ氏はこれまで、共和党の路線に従ってカバノー氏を擁護する一方で、性的暴行を告発したクリスティン・ブレイジー・フォード(Christine Blasey Ford)氏には公平な発言の機会が与えられるべきだと述べていた。

 トランプ氏が態度を変えた背景には、11月の中間選挙前に上院の指名承認を得るための時間が少なくなっていることへの不安がある。保守派のカバノー氏が承認されれば最高裁の右傾化が強まるとみられているが、中間選挙で共和党は議会での優位を保てなくなる恐れもある。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)に「採決せよ!」と書き込み、上院での承認手続きを急ぐよう求めた。

 さらに、フォード氏が今まで沈黙を続けてきたことは、性的暴行がなかった可能性を示しているとも述べた。カリフォルニア州の大学の心理学教授であるフォード氏は米連邦捜査局(FBI)による捜査を求めているが、トランプ氏は「フォード博士への暴行が彼女が言うほどひどいものだったならば、本人または両親から地元の法執行機関に訴えが起こされていたはずだ」と主張。「なぜ36年前に誰もFBIに通報しなかったのか?」と問いかけた。

 トランプ氏の激しい非難を受け、米ツイッター上では21日、「#WhyIDidntReport(なぜ私が通報しなかったか)」のハッシュタグがトレンドトピックに浮上。女性を中心に人々が過去の犯罪に対する怒りを爆発させ、フォード氏との連帯を表明した。(c)AFP/Sebastian Smith