【9月22日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は21日、同国とトルコがシリア北部に設置することで一致していた非武装地帯に関し、具体的な境界線についてトルコ側と合意したことを明らかにした。非武装地帯の設置を含む両国の合意により、シリア反体制派が支配する最後の県、北西部イドリブ(Idlib)への政権軍の進攻が抑止される可能性がある。

 ラブロフ外相はボスニア・ヘルツェゴビナのイゴル・ツルナダク(Igor Crnadak)外相との会談後、「つい昨日か一昨日、ロシア軍とトルコ軍が非武装地帯の具体的な境界線について合意した」と述べた。

 ロシア政府は非武装地帯について、この地域にあるシリア軍拠点とロシア軍基地に対するイドリブからの攻撃の抑止に寄与すると説明している。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)両大統領は17日、4時間を超える協議の末、15~20キロメートルの非武装地帯を設置することで合意した。

 非武装地帯はイドリブ県と隣接する各県のそれぞれ一部にまたがり設置され、イドリブ県の都市アレッポ(Aleppo)も含まれる。同地帯内の治安はトルコの派遣部隊とロシア憲兵隊が監視する予定。

 ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は、トルコとの合意により、イドリブへの軍事行動が防がれると述べている。

 ラブロフ外相は、アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front、現シリア征服戦線Jabhat Fateh al-Sham)の全戦闘員が10月半ばまでに非武装地帯から撤退しなければならないと言明。また「すべての重装備を撤収しなければならない」とした。(c)AFP