【9月24日 東方新報】東京ビッグサイトで20日に開幕した「ツーリズムEXPOジャパン2018」。中国の15の省から観光業界、政府主管部門と旅行社の代表が訪れ、日本人旅行客に中国を訪れてもらうため、各地域の観光資源を展示、紹介した。

 増え続ける訪日中国人旅行客に比べ、訪中日本人旅行客は大きく増えてはいない。日中間の観光往来はアンバランスな状態だ。ピーク時には毎年約400万人の日本人が訪中したが、現在の訪中者数は比較的低い水準に留まったままだ。

 増加の兆しはある。2017年に訪中した日本の旅行客は268万人で、前年同期比3.6%増、2018年上半期は131万人、前年同期比0.7%増だ。この状況の変化は、日中関係の改善が進んだことと、訪中観光の呼びかけによるものといえる。

 中国展示団の団長を務める中国国家旅游局の張西龍(Zhang Xilong)巡視員によると、この2年来、中国人の訪日者数は高速度で増加する中、日本人の訪中者数はその前の低迷状態からは脱し、安定的に回復しつつある。主な原因は二つあり、第一には日中関係が改善し様々な領域での動きが高まってきたこと、第二には中国側の施設やサービスなどが総合的に底上げされ、自然環境も改善されてきたことが挙げられる。

 日本旅行業協会海外旅行推進部の権田昌一(Shoichi Gonda)部長も、日本人の訪中者数はこの2年で徐々に回復し、日本の大手旅行会社のデータによると、今年の1月から8月までの間、中国ルートの旅行製品を販売する日本の旅行社の数は125%増加し、請け負った訪中旅行者数は150%増加した、という。

 権田部長は「ビジネスマン以外の訪中旅行客は中高年が主体で、中国の文化、歴史、自然に興味を持っている。25~35歳の若い女性の訪中者は、大都市やグルメ、ショッピング、異国風情などに興味がある」という。権田部長は「日本の海外旅行者にとって最大の関心事は、安全と相手国の社会が日本人旅行客に対して友好的かどうかだ。もし安全が確保され、日本人に対して友好的な雰囲気になれば、訪中者は増えるだろう」と語った。(c)東方新報/AFPBB News