【9月21日 AFP】ロシア極東(Far East)沿海州(Primorsky Krai)の知事選でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が支持する候補者に有利になるような不正があったとの抗議を受け、同地域の選挙管理委員会は20日、知事選結果を無効とする判断を下した。選挙結果が無効とされたのはロシア現代史上初めて。

 16日に行われた知事選について、共産党(Communist Party)候補者はプーチン氏の支持する与党の統一ロシア(United Russia)の候補者に勝利を「盗まれた」と非難。ロシア中央選挙管理委員長エラ・パンフィーロワ(Ella Pamfilova)氏は19日、プーチン氏の支持する候補を有利にするものではなかったものの票の水増しや賄賂などといった多数の選挙違反があったとして再選挙を勧告していた。再選挙は3か月以内に行われることになっている。

 投票結果では、開票率が95%を超えた時点で共産党のアンドレイ・イシェンコ(Andrei Ishchenko)候補が5ポイントリードし次期知事になると見込まれていたが、その後の公式集計結果は突如変わり、統一ロシアのアンドレイ・タラセンコ(Andrei Tarasenko)候補が勝利した。最終的な得票率はタラセンコ候補が49.55%、イシェンコ候補が48.06%だった。

欧米諸国の対ロ経済制裁が続く中、ロシアの有権者の間では貧困の拡大や年金改革に対する怒りが広がっている。この年金改革は議論を呼び、プーチン氏の支持率が大きく低下した。

 今月に入って行われた統一地方選では、極東のハバロフスク(Khabarovsk)やシベリア(Siberia)南部のハカシア(Khakasia)共和国、さらにウラジーミル(Vladimir)州のいずれもで与党候補者が第1回投票で当選を決めることができず決選投票が行われることになり、ロシア政府に打撃となっている。(c)AFP/Ola CICHOWLAS