【9月23日 CNS】中国・陝西省(Shaanxi)宝鶏市(Baoji)の李希貞さん(62)は17日、南京市(Nanjing)を訪れ、母の呂木娣さん(98)との60年ぶりの再会を果たした。

 1959年2月21日、困窮により家に食料が無くなった呂さんは11歳の息子と1歳になったばかりの娘を引き連れ、汽車に乗って上海にやってきた。呂さんは上海の橋のたもとに娘を置き、善意の人に引き取られることを祈った。

 娘の李さんはその後、紆余曲折を経て、宝鶏市内の李家に引き取られたが、小さい時から顔などが家族と全く異なっていることに気づき、ある時、自分が李家の人間ではなく南方から引き取られてきたことを知る。

 自分のルーツ探しに興味を持った李さんは、08年と13年の二回にわたり、離散家族のためのイベントに参加。江蘇省(Jiangsu)の無錫(Wuxi)、常州(Changzhou)、泰州(Taizhou)などを回り親の手がかりを探していた。16年には、人探しでDNAの果たす役割に気が付き、北京の「華大方瑞司法物証鑑定センター」のDNAバンクに血液サンプルを送り登録した。

 母親の呂さんは17年、隣村の村人が行方不明になった娘をDNA鑑定で探しあてたことを聞き、自分も試してみることにした。人探しの専門家に依頼し、自分の血液サンプルを北京のDNAバンクに登録し、そこは娘が登録していたのと同じ場所だった。その後まもなく、母娘のDNAが一致することが分かり、60年ぶりの再会が実現したということだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News