【9月20日 AFP】20日にサッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)で激突する、RBライプツィヒ(RB Leipzig)とレッドブル・ザルツブルク(Red Bull Salzburg)という「レッドブル(Red Bull)」の2クラブ。両クラブのスポンサーが、この姉妹クラブが世間から思われている以上に似てはいないとはっきりさせようとしたことで、対戦が実現されることになった。

 ドイツのRBライプツィヒとオーストリアのレッドブル・ザルツブルクは、同じスポンサーのロゴとほぼ一緒のクラブのエンブレムが描かれた、同じ色のユニホームを着用している。スポンサーとエンブレムは、雄牛が体当りしているオーストリアのエナジードリンク会社「レッドブル」社のロゴを示したものだ。

 両クラブは、チームとブランドの強化を目的として設立されたサッカー界の新興勢力の象徴である。

 かつて欧州では英国の持株会社ENICが買収あるいは出資という形で、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)やスラビア・プラハ(Slavia Prague)、グラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)、ヴィチェンツァ(Vicenza Calcio)、FCバーゼル(FC Basel)、AEKアテネ(AEK Athens)の6クラブに関与していたことがあり、欧州サッカー連盟(UEFA)は1998年に「欧州の大会における整合性」を守るための規則を採用した。

 このルールにより同じオーナーを持つチームは同一の大会に出場することができなくなったが、それでもレッドブルの名を持つ二つのチームは確かに激突する。なぜそれが可能になったのかといえば、UEFAが昨年の6月、「長い調査の末」にこの両クラブはのオーナーが同一ではないと結論を下したためだ。

 レッドブル社はレッドブル・ザルツブルクのユニホームやスタジアムのスポンサーこそ務めているが、オーストリア人の億万長者であるディートリッヒ・マテシッツ(Dietrich Mateschitz)氏が、レッドブル・ザルツブルクの直接的な経営からすでに手を引いているとUEFAは判断したのだ。

 それでも、レッドブル・ザルツブルクは米メジャーリーグサッカー(MLS)のニューヨーク・レッドブルズ(New York Red Bulls)やブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)の州リーグに在籍するレッドブル・ブラジル(Red Bull Brasil)同様、サプライチェーンの一つとして機能している。

 2015年以降、レッドブル・ザルツブルクから12人の選手が成長著しいRBライプツィヒへ直接移籍しているが、その中には2016年に1500万ユーロ(約19億円)の移籍金で加入したナビ・ケイタ(Naby Keita)も含まれており、同選手はこの夏、7500万ユーロ(約98億円)でイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に渡った。

 なお、ドイツ・ブンデスリーガの規約では企業名をチーム名に加えることはできないため、RBライプツィヒは表向きには「レッドブル」とは呼ばれない。