【9月20日 AFP】汚職の罪で収監されていたパキスタンのナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相は19日夜、上訴審中の禁錮刑判決の執行差し止めを裁判所が決めたことを受け、娘のマリヤム(Maryam Nawaz Sharif)氏と共に釈放された。シャリフ氏は歓声を上げる支持者らに迎えられた。

 パキスタンの汚職事件担当裁判所は7月、「パナマ文書(Panama Papers)」流出を受け、シャリフ元首相らが英国に保有しているとされた資産をめぐり被告不在のままシャリフ氏に禁錮10年、マリヤム氏に同7年の判決を下した。両氏はその後、7月中に英ロンドンから選挙活動のため帰国した際に逮捕されたが、シャリフ氏は、自身はパキスタンの強力な治安機関の標的になったと主張している。

 首都イスラマバード近郊のラワルピンディ(Rawalpindi)にあるアディアラ(Adiala)刑務所の外には、釈放を待つ支持者数百人が集まった。現場のAFP記者は、両氏は支持者が投げるバラの花びらを浴びながらSUV(多目的スポーツ車)に乗ってその場を離れたとしている。

 ほかにもイスラマバード高等裁判所(Islamabad High Court)の外では、釈放決定の発表を聞いた支持者数十人が「ナワズ・シャリフ首相!」と繰り返し声を上げた。

 裁判所は釈放の判断に関する詳細や、上訴審が行われる時期を明らかにしていない。また、汚職監視団体は最高裁判所に対し、釈放決定への異議申し立てを行うことができる。

 7月25日に行われた総選挙では、シャリフ氏のイスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が破れ、クリケットの元スター選手イムラン・カーン(Imran Khan)氏率いる野党・パキスタン正義運動(PTI)が勝利した。(c)AFP