【9月19日 AFP】シンガポールでインドネシア人の家政婦を「販売」するオンライン広告が出回り、「不正で屈辱的」という非難の声が上がっている。

 複数の報道によると、オンラインのフリーマーケットアプリ「カルーセル(Carousell)」でインドネシア人のメイドが売りに出され、直ちに人権団体から批判の声が上がったという。

「maid.recruitment」というユーザーが出した広告には、複数のインドネシア人メイドによるサービスが売りに出されており、「販売済み」とされていたメイドもいたという。この広告は、現在削除されている。

 フリマアプリのカルーセルは「あなたの生活の中にある、がらくたの山を売る簡単な方法」と銘打ち、複数のアジア諸国で展開している。

 インドネシアのNGO「マイグラントケア(Migrant Care)」の事務局長はAFPの取材に対し、広告を「強く非難」するとともに、広告主および関係者を裁判にかけるよう要求したと述べ、「これは移民労働者の尊厳に対し、非常に不当で屈辱的なものだ」と話した。

 シンガポール政府は、同国に本社を置くカルーセルでメイドたちが「不適切に取引」されているケースを把握しており、削除された広告を入手して調査を開始したとしている。

 同国では約25万人のメイドが働いており、その大半がインドネシアやフィリピンの貧困地域の出身。母国で稼ぐよりも高い収入を得るために裕福な都市国家シンガポールへ出稼ぎに向かうという。(c)AFP