【9月19日 AFP】ロシアの国家ぐるみのドーピングを告発したグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏は18日、仮に同国の資格停止処分を解除すれば、世界反ドーピング機関(WADA)は「クリーンなスポーツを崩壊させる」危険性があると語った。

 ロシア反ドーピング研究所の元所長で、2015年に同国のドーピングスキャンダルを告発したロドチェンコフ氏は、政府が同スキャンダルにおけるその役割を認め、過去の薬物検査結果へのアクセス権を全て提供した場合に限り、処分は解除され得るとした。

 米紙USAトゥデー(USA Today)でロドチェンコフ氏は、「WADAは、ドーピングプログラムを推し進めた上に規定にのっとっていると虚偽の主張をしたクレムリン(ロシア大統領府、Kremlin)と同類であるロシアスポーツ省のごまかしや、虚言の犠牲になってはいけない。そうなった場合、まさにクリーンなスポーツの崩壊に他ならない」と主張している。

 20日に西インド洋のセーシェル(Seychelles)で行われるWADAの会合では、ロシアの反ドーピング機関(RUSADA)に科された処分解除の可否が検討されることになっている。

 WADAは前週、第三者グループであるコンプライアンス審査委員会(CRC)からの勧告を受け、3年間科されていた同国の処分を解除する方針を示した。しかしながら、WADAの態度軟化はアスリートや世界中の反ドーピング機関から猛反発を受けており、各国の反ドーピング機関はWADAが国際オリンピック委員会(IOC)の圧力に屈したと非難している。(c)AFP