【9月19日 AFP】国際刑事裁判所(ICC)の検察官は18日、ミャンマー国軍がイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に対して犯した疑いがある虐殺や性的暴行、強制移住などの罪について予備調査を開始した。

 ミャンマー国軍による弾圧では、ロヒンギャ約70万人が隣国バングラデシュに逃れる事態になった。予備調査では、ICCのファトゥ・ベンスダ(Fatou Bensouda)主任検察官が正式な捜査を正当化するのに十分な証拠があるかどうかを調べる。

 予備調査の結果次第でICCは正式な捜査を行い、さらに捜査の結果次第では起訴に至る可能性もある。

 ミャンマーはICC非締約国だが、ICCは約2週間前、バングラデシュが締約国であることを理由に、ロヒンギャ迫害について管轄権を行使できると判断した。

 国連(UN)の調査団は同日、ミャンマー国軍がロヒンギャに対して「理解できない」水準の暴力を行使したとする報告書を公表。ジェノサイド(大量虐殺)の罪で訴追すべきとの認識を示し、ロヒンギャに対する犯罪はICCに付託すべきとも改めて勧告した。

 ICCは2002年、戦争犯罪や人道犯罪を裁く目的で設置された。(c)AFP/Danny KEMP