【9月19日 AFP】米ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)の従業員らが18日、店舗でセクハラがまん延しているにもかかわらず会社側の対策が不十分だとして、米10都市で1日限りのストライキを決行した。セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」に触発されたもので、主催者によるとこの種のストは初めてという。

「生計が脅かされ、収入がなくなってしまうのではないかと感じるのは、本当に恐ろしいことです」。シカゴにあるマクドナルド・グローバル本社の前で、小規模ながら威勢のいいデモに参加した従業員のアリ・ベイカー(Ali Baker)さんは、セクハラが人の生活に及ぼす影響の大きさを訴えた。

 今回のストは、娯楽業界やメディア、政界の著名人を主な標的としてきた「#MeToo」運動が、低賃金のブルーカラー業界にも広がりを見せる中で実施された。大きな富も影響力も持たないブルーカラー労働者はセクハラの被害に特に遭いやすい。

 主催者によれば、ストはマクドナルドに、職場での痴漢行為やひわいな発言、性行為への誘いなどへの対策に本腰を入れてもらうのが目的。シカゴのほか、カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコ、ミズーリ州のカンザスシティー(Kansas City)とセントルイス(Saint Louis)、ノースカロライナ州のダーラム(Durham)などでも行われた。

 米9都市のマクドナルドの女性従業員らは4か月前、米雇用機会均等委員会(EEOC)にセクハラ被害の申し立てを行っていた。

 従業員らは、会社側が従業員と経営陣、全米の女性権利団体の幹部から成る委員会を組織し、この問題への対処法を見つけることを求めている。

 マクドナルドは声明で、セクハラを防止するために「強力な方針や手続き、トレーニング」を整備していると説明。また、この日行われたのはストではなく勤務時間中の「退席」だとの認識を示した。(c)AFP/Nova SAFO