【9月17日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が求職中の若者に対し、レストラン・カフェの仕事や建設業など求人需要が高い業種なら簡単に見つかると助言し批判を受けている。

 マクロン大統領はエリゼ宮(Elysee Palace、仏大統領府)の一般公開日だった15日、庭園師になりたいという若い男性と言葉を交わし、その様子を撮影した動画がソーシャルメディアで拡散した。

 動画で男性はマクロン大統領に対し、「自分は25歳で履歴書を何通も送っているが、まったく職に結び付かない」と発言。するとマクロン氏は「もしホテル、カフェ、レストラン、建設業に意欲とやる気があるのであれば、私が行く場所で人を探していないというところは一つもない。一つもだ」と答えた。

 さらにマクロン氏はカフェやレストランが多いパリのモンパルナス(Montparnasse)地区へ行くよう男性に勧め、「私もあの通りを渡ればきっと君に仕事を見つけてあげられる。ぜひ行くべきだ」と語った。男性は「分かりました、ありがとうございます」と述べ、2人は握手した。

 この動画に対し、ツイッター(Twitter)ではすぐに冷ややかな声が上がった。投資銀行家出身で「富裕層のための大統領」とやゆされているマクロン氏のこの助言に、あるユーザーは「フランスの現実とまったくかけ離れている」と批判。また別のユーザーは「どうやったらわずか30秒でこれほどまでに侮辱、共感の欠如、無知をさらすことができるのか」と非難した。

 だが、政府報道官のクリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)氏は16日のテレビインタビューで、マクロン氏が「失業者を粗末に扱った」との批判は誤っていると反論。また「大統領が言ったことは間違いだろうか?モンパルナスへ行けば働き手が求められていることは分かる」と述べ、「あなたたちはむなしい言葉を望んでいるのか。私は真実を語る大統領の方が好きだ」とマクロン氏を擁護した。(c)AFP