【9月17日 AFP】フィリピン北部を襲い、少なくとも59人の死者を出した大型で強い台風22号(アジア名:マンクット、Mangkhut)は、中国の香港とマカオ(Macau)に破壊の爪痕を残し、16日夜に中国本土に上陸した。

 今年最大とされ、中国メディアが「風王」と呼ぶ今回の台風は、香港で超高層ビルを揺らし樹木をなぎ倒して200人以上の負傷者を出した後、中国南部広東(Guangdong)省江門(Jiangmen)市の沿岸部に上陸。当局はこれに先立ち、計237万人を避難させ、漁船数万隻に帰港を命じた。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)は、この台風により同省で2人が死亡したと報じている。

 香港気象台は最高レベルの警報を出して警戒を呼び掛けている。香港政府によると、風速60メートルを超える猛烈な突風が吹き、負傷者は213人に上ったという。

 この台風は15日には、フィリピン本島ルソン(Luzon)島北部を襲った。広い範囲が水没し、暴風で樹木が根こそぎ倒れ、豪雨により数十か所で土砂崩れが発生した。

 フィリピン警察によると、土砂崩れによる犠牲者が新たに発見され、死者は16日夜の時点で59人に達した。

 当局は、同国北部バギオ(Baguio)付近で発生した土砂崩れで鉱山労働者24人が生き埋めになっている恐れがあり、翌17日朝に救出活動を続けるとしている。

 映像は香港での台風の被害。16日撮影。(c)AFP/Elaine Yu with Purple Romero in Tuguegarao