【9月16日 AFP】米東海岸に14日上陸した大型ハリケーン「フローレンス(Florence)」で死亡が確認された人は15日までに6人となった。フローレンスは熱帯暴風雨に変わった後も米南東部各地に「並外れた量の雨」を降らせており、米当局は15日、被害はまだ終わっていないとして警戒を呼び掛けた。

 ノースカロライナ州のロイ・クーパー(Roy Cooper)知事は記者会見で、同州でこれまでに5人の死亡が確認されたほか、複数の人について調査を進めていると発表した。死者の中には、自宅が倒木の下敷きとなり死亡した母親とその赤ちゃんも含まれている。

 一方、サウスカロライナ州のヘンリー・マクマスター(Henry McMaster)知事は15日、61歳の女性がハイウエーを車で走行中、倒木に衝突して死亡したと発表。フローレンス関連で死亡が確認された人両州で合わせて6人となった。

 フローレンスは14日、5段階のうち最も弱い「カテゴリー1」のハリケーンとして東海岸に上陸したが、勢力を弱め熱帯暴風雨となった。しかし木々や電柱をなぎ倒すなど、引き続き東海岸沿いに大きな被害をもたらしており、2万人が自宅からの避難を余儀なくされている。

 ノースカロライナ州のクーパー知事は、「州内の全ての道路が今、洪水に見舞われる恐れがある」、「雨が降り続き、川の水位の上昇が続いているため、冠水範囲は広がるものとみられる。住民にすみやかな避難を促すため、避難勧告を出す内陸部の郡が増えている」と明らかにした。

 クーパー知事は先に、フローレンスについて「並外れた量の雨を降らせており、降水量がインチ単位(数十ミリ)ではなくフィート単位(数百ミリ)に上った場所もある」と述べていた。

 米海洋大気局(NOAA)のスティーブ・ゴールドスタイン(Steve Goldstein)氏によると、降り始めからの雨量が約600ミリに達した場所もあり、フローレンスから変わった熱帯暴風雨がノースカロライナ州東部を「ゆっくりと進み、ほとんど動いていない」ため、さらに最大500ミリ程度の雨が降る恐れもあるという。

 フローレンスから変わった熱帯暴風雨は15日午後2時(日本時間16日午前3時)現在、最大風速約20メートル程度にまで勢力を弱めているが、米国立ハリケーンセンター(NHC)は引き続き高潮や「壊滅的な洪水」に対する警戒を呼び掛けている。(c)AFP/Logan Cyrus