【9月16日 AFP】ラグビー南半球4か国対抗戦、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship 2018)は15日、第4節が行われ、南アフリカが36-34でニュージーランドを破る番狂わせを演じた。スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)の監督は「幸運」な面があったことを認めているが、選手は世界王者相手の「素晴らしい」勝利に酔いしれている。

 南アフリカにとって、敵地でのオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表)戦勝利は2009年以来およそ10年ぶりで、ニュージーランドに同大会では3年ぶりの黒星をつけた。またこれで、2015年から続いていた同国に対する連敗も6で止まっている。

 トライ数では5対6とニュージーランドより少なかった南アフリカだったが、相手キッカーのボーデン・バレット(Beauden Barrett)が不調だったのに対し、ハンドレ・ポラード(Handre Pollard)が6本中5本のキックを成功させたことが勝敗を分けた。

 主将のシヤ・コリシ(Siya Kolisi)は「チームにとって、南アフリカにとって素晴らしい一日になった」とコメント。しかし、ラシー・エラスムス(Rassie Erasmus)ヘッドコーチ(HC)は、運も味方した勝利だったと考えている。

 エラスムスHCは、ラストプレーで相手のダミアン・マッケンジー(Damian McKenzie)がラインまであと数メートルというところでボールをこぼしたことを指し、「最後の最後で負けていてもおかしくなかった」と話した。

 さらにHCは、アルゼンチンとオーストラリアに連敗し、自信を失った中で迎えた一戦だっただけに、敵地でニュージーランドに勝てたことが「信じられない」と話している。HCは「この勝利で勘違いしてはならない。世界最高のチーム相手の勝利ではあるが、少し運に恵まれた上での1勝だ」と続けた。

 対するニュージーランドは、ボール保持率では相手を圧倒したが、強固な南アフリカの守備に得点を阻まれた。それでもチームは2試合を残して首位の座を守っている。

 スティーブ・ハンセン(Steve Hansen)HCは「南アフリカにおめでとうと言いたい。非常に素晴らしいプレーをし、チャンスをしっかりものにした」と話し、「もちろんがっかりしているし、改善点はいくつもある。負けるのはいつだってつらいし、控室の雰囲気は重く、静まり返っていた。しかし、重要なのはここから学ぶことだ。これを無駄にしてはならない」と続けた。

 同日のもう1試合では、アルゼンチンが23-19でオーストラリアを破り、こちらは1983年以来35年ぶりとなる敵地でのオーストラリア戦の勝利を挙げた。前半を17-14とリードして折り返すと、後半は相手の気持ちの入った反撃をしのいだ。

 オーストラリアはトライ数では3本対2本で上回ったが、ラフなプレーが勝敗に響き、相手に3本のペナルティーゴールを決められた。これで、オーストラリアの直近のテストマッチの戦績は6戦5敗となっている。(c)AFP