【9月16日 AFP】ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2018)は15日、第20ステージ(エスカルデスからコルデラガリーナ、97.3キロメートル)が行われ、ステージ3位に入ったミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)が事実上の総合優勝を決めた。

 5月のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)で、第19ステージで大きくタイムを落として総合首位の座を明け渡した26歳にとっては、その借りを返す会心のブエルタ総合制覇となった。

 そのとき、「もっと強くなって戻ってくる」と誓ったイェーツは、レース後のインタビューでもまだ総合優勝をつかんだことがのみ込めていない様子で「正直に言って、自分がやれるとは思っていなかった。何しろジロでああいうことがあった後だから」とコメントした。

「きょうはスタートで緊張した。何が起こるか分からなかったし、猛烈な一日になった。だけどチームが素晴らしくて、(同じチームに所属する双子の)アダム(Adam Yates)には最後の最後まで助けられた」

 これで今年の三大ツール(グランツール)は、ジロを制したチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome)、ツール・ド・フランス(2018 Tour de France)を制したスカイのゲラント・トーマス(Geraint Thomas)に続き、すべて英国の選手が総合優勝のタイトルを獲得したことになった。

 その点についてイェーツは「英国の自転車界は、10年前と比べて大きく進歩した。この流れが続けばうれしい」と話している。

 距離は短いが、起伏の激しい第20ステージを制したのは、クイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)の23歳、エンリク・マス(Enric Mas、スペイン)。マスはアスタナ(Astana Pro Team)の24歳ミゲル・アンヘル・ロペス(Miguel Angel Lopez、コロンビア)とともに、総合2位と3位を事実上確定させた。イェーツとのタイム差はそれぞれ1分46秒、2分4秒となっている。

 前日まで総合2位と3位だったモビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)とチーム・ロットNL・ユンボ(Team LottoNL-Jumbo)のステーフェン・クラウスヴァイク(Steven Kruijswijk、オランダ)は、最後の上り坂で苦しんでそれぞれ総合5位と4位に後退した。(c)AFP