【9月15日 AFP】シリアの反体制派最後の拠点となっている同国北西部のイドリブ(Idlib)県へのシリア政府軍による攻撃は、トルコとロシアの意見が一致していないために遅れているようだと専門家たちが指摘している。

 シリア内戦でロシアとトルコはそれぞれ対立する勢力を支援している。ロシアの支援を受けたシリア政府軍のイドリブ総攻撃が目前に迫っているとみられていた今月7日、イランの首都テヘランでトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領、イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領が会談してシリア情勢について協議した。

 しかし、エルドアン、プーチン両大統領の溝は埋まらなかった。このため、軍事的選択肢に強硬に反対しているトルコに配慮してロシアがイドリブ総攻撃を遅らせた可能性があるとみられている。匿名でAFPの取材に応じたトルコ政府高官は、「攻撃が行われるとしても、今後数週間はないと考えている」と述べた。

 エルドアン大統領が「大惨事」を招くとして反対しているイドリブ総攻撃を回避すべく、トルコとロシアはテヘランでの首脳会談後も集中的に協議を重ねている。エルドアン、プーチン両大統領は17日にロシアのリゾート地ソチ(Sochi)で行う会談で、この問題について協議するとみられている。(c)AFP/Ezzedine SAID