【9月15日 AFP】男子テニス、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2018)は14日、ワールドグループ準決勝が各地で行われ、初日のシングルス2試合では、フランスとクロアチアが共に2勝0敗でリードした。

 仏リール(Lille)で行われたスペインとの準決勝で、連覇を狙うフランスのヤニック・ノア(Yannick Noah)監督は、これが大会初出場となるブノワ・ペール(Benoit Paire)を起用したことについて、「簡単な選択肢ではなかった」と認めたが、その賭けは見事に的中。ひげがトレードマークの29歳は7-5、6-1、6-0でパブロ・カレーニョ・ブスタ(Pablo Carreno-Busta)を退け、1試合目は2時間足らずで決着がつく完璧なスタートとなった。

 世界ランク54位のペールは、米首都ワシントンで行われた先月のシティ・オープン(Citi Open 2018)でラケットを3本破壊して1万6500ドル(約185万円)の罰金を科されたようなヒステリーを起こすことはなく、「出場することを待ち焦がれていた」「今までは一度も選出されず、ここまで長かった。これが自分にとって遅すぎたりせず、これからもチャンスが訪れることを願っている」とコメントした。

 ペールにとっては快勝であっても、2試合目に登場したリュカ・プイユ(Lucas Pouille)にとっては同様だったとはいえず、フルセットにもつれ込む苦戦を強いられた。それでもフランスはエースのプイユが、ロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut)に第1セットを先取された後、3-6、7-6(7-5)、6-4、2-6、6-4で逆転勝ちを収め、11月の決勝進出に王手をかけた。

 これで後がなくなったスペインは2004年、2008年、2009年、そして2011年の優勝の立役者で、四大大会(グランドスラム)通算17勝を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal)が、膝の故障で欠場している。

 2年連続となる決勝の舞台まであと一歩に迫ったフランスは、15日のダブルスではジュリアン・ベネトー(Julien Benneteau)/ニコラ・マウー(Nicolas Mahut)組が、スペインのマルセル・グラノリェルス(Marcel Granollers)/フェリシアーノ・ロペス(Feliciano Lopez)組と対戦する予定となっている。

 一方、クロアチア・ザダル(Zadar)で行われたもう一つの準決勝では、クロアチアが米国に2連勝を記録した。1試合目では世界18位のボルナ・チョリッチ(Borna Coric)が格の違いを見せつけ、スティーブ・ジョンソン(Steve Johnson)に6-4、7-6(7-4)、6-3でストレート勝ち。2試合目ではエースで世界6位のマリン・チリッチ(Marin Cilic)が、デビスカップ初出場のフランシス・ティアフォー(Frances Tiafoe)を6-1、6-3、7-6 (7-5)で退けた。

 これまで決勝に進出したのは優勝した2005年と準優勝に終わった2016年の2回となっているクロアチアは、頂上決戦の切符を懸けた15日のダブルスで、イワン・ドディグ(Ivan Dodig)/マテ・パビッチ(Mate Pavic)組が、米国のマイク・ブライアン(Mike Bryan)/ライアン・ハリソン(Ryan Harrison)組を迎え撃つことになっている。

 ジム・クーリエ(Jim Courier)監督が率いる米国は、家庭の事情で出場を辞退したジョン・イズナー(John Isner)と、故障を抱えたジャック・ソック(Jack Sock)のトップ選手2人を欠いての戦いとなっている。(c)AFP