【9月14日 AFP】ブラジルで開かれている国際捕鯨委員会(IWC)総会で13日、今後クジラを永続的に保護する内容を含む「フロリアノポリス宣言(Florianopolis Declaration)」が採択された。採決に先立ち激しい議論が行われ、強い反発が出ている。

 IWCには72年の歴史があり、現在は89か国が加盟。総会は隔年で開催されている。

 同宣言は開催国ブラジルが提案。拘束力はないが、捕鯨活動は今や経済活動として必要なくなったと見なしている。賛成票を投じたのは40か国で、捕鯨支持国27か国が反対票を投じた。

 同宣言は加盟国共通の展望を定めることを目指すものだったが、捕鯨支持国はこれを拒否。代わりに、クジラ保護と商業捕鯨の「共存」を掲げる日本の提案を支持している。

 カリブ海(Caribbean Sea)の島国アンティグア・バーブーダのデベン・ジョセフ(Deven Joseph)代表は、同宣言の決議は「拘束力がなく、無責任で、異常で、一貫性がなく、まやかしで、完全に間違っている」と述べ、語気荒く批判した。

 IWCは直ちに日本による対案の審議を開始した。日本は同案を「前進の道(The Way Forward)」と銘打ち、「持続可能な捕鯨委員会(Sustainable Whaling Committee)」を新設してクジラ保護と商業捕鯨を両立させる路線を提示。「特定の複数のクジラ種が持続可能な捕獲に足りるだけの健全な個体数を有することは、科学的に明確だ」としている。

 IWC日本政府代表の森下丈二(Joji Morishita)氏は今総会の議長を務めており、日本案は諸貫秀樹(Hideki Moronuki)代表代理が提出した。(c)AFP