【9月23日 AFP】中国の幼稚園で子どもたちは、新しい教員アシスタントに出された問題を解きながらクスクス笑っている。問題を出したのは、丸みのある体で顔にスクリーンが付いた小さなロボットだ。

 子どもたちにお話を聞かせたり、論理クイズを出したりする60センチ弱の大きさの自律型ロボット「Keeko」は、複数の幼稚園に取り入れられて人気となっている。丸くて白いずんぐりとした体形で、小さな車輪で素早く動き回る。位置センサーの役割を果たす内蔵カメラは、映像を録画するときのカメラにもなる。

 北京郊外にある逸之風多元文化教育機構(Yiswind Institute of Multicultural Education)ではKeekoが、王子様が砂漠から脱出するのを手伝ってあげようという問題を出していた。子どもたちは四角い敷物を組み合わせて、ロボットが通る道を作る。これはお話であると同時に、問題解決能力を育てるための課題でもある。子どもたちが正解するたびに、Keekoが目をハート形にしてチカチカ瞬かせた。

 中国でロボットは、食料品を配達したり、高齢者の話し相手になったり、法律相談に乗ったりする存在となっているが、その役割に教員も加えたいとKeekoの開発者は言う。

 Keekoを開発した智童時刻(厦門)科技有限公司(Keeko Robot Xiamen Technology)のトレーナー、キャンディー・シオン(Candy Xiong)氏は、就学前教育を学び、教師として働いていた経験を持つ。「今日の教育は、教師が教え、生徒は学ぶだけという一方通行ではもはやない」とシオン氏は指摘した。

 Keekoは現在中国の600か所以上の幼稚園で使われており、開発者らは中華圏と東南アジアにもKeekoを広げたいと考えている。(c)APF/ Elizabeth Law and Danni Zhu