【9月13日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の女子シングルスを制した大坂なおみ(Naomi Osaka)が13日、帰国後の記者会見に臨み、同決勝で主審に激怒し騒動を起こしたことで、歴史的快挙に水を差したセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を批判するつもりはないと語った。

 8日に米ニューヨークで行われた全米オープン決勝で自身のアイドルであるセレーナを6-2、6-4で破り、日本選手として史上初となる四大大会(グランドスラム)優勝を果たした大坂は、その後涙を流して多くの人の心をとろけさせた。

 元女子テニスの伊達公子(Kimiko Date)氏はAFPに対し、大坂が涙を流し、栄光の瞬間を享受できなかったことに「胸が痛んだ」と語っていた。

 セレーナは決勝でコーチングを受けたとして警告を受けると、怒りを爆発させて主審を「盗人」呼ばわりし、最終的にはゲーム・ペナルティーを受けてた。しかし、大坂はそのセレーナを悪く思うことはないと明かした。

「どんなふうに感じるかも分かっていなかったから、悲しいとは思っていない。他のグランドスラムで決勝に上がったこともなかったので、悲しい気持ちすらも考えなかった」

「とにかく、後悔するのだけはダメだと思った。多くのことを達成できて、全体的には本当にハッピーだと感じた」

 一方で、来週東京で開催される東レ・パンパシフィック・オープン(Toray Pan Pacific Open 2018)に臨む大坂は、年内の世界ランクトップ5入りと、2020年東京五輪での金メダル獲得を目標に掲げた。

 大坂は「今年の直近の目標はシンガポール」と、シーズン最終戦のWTAファイナルズ(WTA Finals Singapore 2018)出場争いに名乗りを上げた。

「パンパシでも良い結果を出したいし、世界トップ5も狙えればいい。でも、自分にあまりプレッシャーはかけたくない。今は良い波に乗れているような感じ」

「もちろん東京で五輪が開催されるのはすごく興奮する。五輪は全てのアスリートの夢で、私にとってももちろん金メダルを勝ち取るのは目標」

 元世界ランク4位の伊達氏は、大坂が日本選手初となる世界ランク1位に到達できると考えている。

 しかし、今の大坂にとっては、こちらもプロテニス選手の姉まり(Mari Osaka)に会ったり、買い物に出かけたり、大好物の抹茶アイスを食べたりすることが重要なようだ。

「ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)以来なので、姉とブラブラしたい」

「パンパシの試合が近くて食事制限があるので、アイスクリームはその後かな」

 さらに、子どもたちのロールモデルになっていることについてどう感じるかと質問を受けた大坂は、入り交じった気持ちを明かした。

「いつもケイ(錦織圭〈Kei Nishikori〉)がすごいロールモデルだと思っていたので、同じ様な存在になりたい」とする一方で、「でも、私を目標にしないで、責任は取れないので」と続けた。(c)AFP/Alastair HIMMER