【9月12日 AFP】東京近郊の江の島で、2020年東京五輪に向けたテスト大会となるセーリングW杯が開催された際、開会式でイルカショーが披露されたことに批判が集まり、同競技を統括する国際セーリング連盟(World Sailing)は11日、「失望」を表明した。

 イルカショーは動物愛護団体から、残酷な搾取行為として非難されている。問題となった今回のショーは9日、選手や関係者ら数百人が出席した開会式の場で披露された。

 これを見た2012年ロンドン五輪セーリングの銀メダリスト、ルーク・ペイシェンス(Luke Patience)氏は、「衝撃を受けた」とツイッター(Twitter)に投稿。「今目にしていることにこれ以上ないほど当惑している。われわれはセーリングの選手だ、表向きは「エコ」なスポーツのはずだ」「もっと倫理観を示せるよう期待する」と記した。

 国際セーリング連盟は、開会式にイルカショーが盛り込まれていたことに「失望」を表明するとともに、「本連盟はこの種のショーを容認しない。判断を誤り不快感をもたらしたことを謝罪する」という声明を出した。

 同連盟は、式典に関わる内容についてはすべて事前承認を要するにもかかわらず、問題のショーについては承認が下りていないことはもとより、実行委員会から申請さえなかったと指摘している。

 日本の国内メディアによると、日本セーリング連盟の河野博文(Hirobumi Kawano)会長も、不快な思いをした人がいたなら「おわび申し上げたい」と謝罪。イルカの扱いについては国によっても人によっても考え方が違うとした上で、「繊細な問題だと認識すべきだった。配慮が足りなかった」と認めたという。(c)AFP