【9月12日 AFP】UEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League 2018-19)は11日、各地で試合が行われ、リーグAのグループ4ではスペインがクロアチアに6-0と大勝し、同グループで連勝を飾った。

 スペインはサウル(Saul Niguez)が早い時間帯にヘディングでネットを揺らし、W杯ロシア大会(2018 World Cup)の準優勝チームを相手に先制。さらに、マルコ・アセンシオ(Marco Asensio)が長距離から追加点を挙げると、その後も同選手のミドルシュートが相手GKロブレ・カリニッチ(Lovre Kalinic)に当たってゴールに入り、スペインが前半のうちに3点のリードを手にした。

 アセンシオは後半にもロドリゴ(Rodrigo Moreno Machado)やセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)、イスコ(Isco Alarcon)の得点をお膳立てする活躍をみせ、スペインがホームのエルチェ(Elche)で完勝を収めた。

 スペインは2008年から2012年にかけて主要国際大会で3連覇を経験したが、W杯ロシア大会の敗退により、同国に偉業をもたらしたポゼッションスタイルには疑問の声が上がった。しかし、大会後に就任したルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督は、変革ではなく進化を約束。この日のチームはボール保持で圧倒しながらも、より素早く、よりダイレクトにプレーすることでアタッキングサードでは予想しづらい攻撃をした。

 スペインは先日、今大会の初戦でイングランドに勝利しており、わずか4日の間にW杯ロシア大会で準決勝に進んだ2チームを撃破し、グループ4の首位に立った。しかしより重要なのは、選手たちがエンリケ監督の手腕に確信を持ったことかもしれない。

 エンリケ監督は「チームは多くのチャンスをつくり、失点もほとんどなかった。これが私のスペイン代表だと言うのは簡単だが、私が物事を非常に速く変化させているというのが実際のところだ」と話し、「この1週間はすべてが完璧だった」と振り返った。

 一方のクロアチアは、早々にイバン・サンティニ(Ivan Santini)が決定機を逃し、スペインに先制を許した。W杯で輝きを放ったルカ・モドリッチ(Luka Modric)やイヴァン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)は試合を支配することができず、デヤン・ロブレン(Dejan Lovren)を欠いた守備陣はミスを繰り返した。

 クロアチアを率いるズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalic)監督は「泣いてはいけないし、改善する必要がある」と振り返り、「起きてしまったことは仕方がないし、スペインはすべてのチャンスをものにした。この大敗がこれからではなく、きょうで良かった」と続けた。

「先制点を奪われた後、選手たちはあまり集中できていなかった。われわれは焦ってやろうとしすぎたし、やり方を変えてしまった。しかし、それはボールの保持を好み、ホームでうまく戦っているスペインを相手に使う戦略ではなかった。2失点目を喫すると、われわれにとって試合は終了した」 (c)AFP/Thomas ALLNUTT