【9月11日 AFP】米カリフォルニア州のジェリー・ブラウン(Jerry Brown)知事は10日、2045年までに州内の全電力をクリーンエネルギーで賄うことを義務付けた画期的な法案に署名した。カリフォルニア州が排出する温室効果ガスのうち、発電によるものは16%。法案では、2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で40%減とする野心的な目標が掲げられている。

 世界的には少なくとも20か国および40以上の大都市が類似したエネルギー目標を宣言しているが、これまでのところ行政単位としては経済規模で世界第5位を誇るカリフォルニア州が最大。

 電気・ガス・水道業者や石油会社は電気料金の高騰を招く上に二酸化炭素(CO2)排出量の削減にもほとんど効果はないと主張し、法案に反対してきたが、ブラウン知事は州都サクラメント(Sacramento)で行われた署名式で、カリフォルニア州は同法と行政命令によって地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」順守の道を進み、さらにその先を目指すと表明。「容易なことではない。結果もすぐには出ないだろう。だが、やり遂げねばならない」と決意を述べた。

 新たに成立した州法では、電力の60%以上を太陽発電や風力発電など再生可能エネルギーによるものとすることが義務付けられる。

 排出されたCO2を燃料に変換したり、回収して地下に貯留したりするのであれば、カーボンニュートラル(CO2の排出量と吸収量のバランスが取れている状態)であるとして原子力発電や地熱発電、天然ガスによる発電も認められる見通し。

 カリフォルニア州が気候変動への取り組みの主導者として国際社会で台頭する一方、米国ではバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領を敵視するドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、2015年に採択された気候変動問題に関する歴史的なパリ協定からの離脱を表明するなど、オバマ政権時代の環境政策を次々と廃止している。(c)AFP/Marlowe HOOD