【9月10日 AFP】女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は9日、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の女子シングルス決勝で自身に3度のコードバイオレーションが科されたのは「性差別的だ」とするセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の主張を擁護した。

 米ニューヨークのフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows)で行われた8日の決勝でセレーナは、試合中に3度のコードバイオレーションを受け、1ポイントの失点と、1ゲームを失うペナルティーを科された。

 四大大会(グランドスラム)通算23勝を誇るセレーナは、カルロス・ラモス(Carlos Ramos)主審に科されたペナルティーは、男子選手だったら免れたものだったと主張したほか、試合中に怒りを爆発させた。

 試合は、大坂なおみ(Naomi Osaka)が幼い頃からの憧れだったスーパースターを圧倒し、日本人初となる四大大会(グランドスラム)優勝を成し遂げたが、その快挙はセレーナをめぐる騒動によって水を差された。

 サイモンCEOは審判について、前日の一戦では男女によって異なる基準が適用されているのではないかとする疑問に大きな注目が集まったとした上で、「WTAは、選手によって感情が表現された際、それに対する許容の基準に男女で違いがあってはならないと信じている。そして、すべての選手が平等な扱いを確実に受けられるよう、競技と一丸となって全力を尽くしている。これについては、昨日で終わりではないと考えている」と語った。

 セレーナが最も怒りをあらわにしたのは、自身のボックスからコーチングを受けたとして最初のコードバイオレーションを科されたときだった。同選手が実際にコーチのパトリック・ムラトグルー(Patrick Mouratoglou)氏から手振りで指導を受けたかは明らかではないが、サイモンCEOは競技全体としてコーチングのルールを見直す必要があると述べている。

「われわれはコーチングの問題も議論される必要があり、競技を通して許可されるべきだと考えている。WTAはコート上における指導のルールを用い、コーチングを支持しているが、さらなる見直しが必要である」

 最後にサイモンCEOは「昨日の試合は、テニス界のニュースターと史上最高の選手が相対した一戦」だとした上で、「こうした最高の選手によるスリリングな試合が、より多く行われるのを楽しみにしているし、昨日目にしたようなことが二度と起きないよう願っている」と締めくくった。 (c)AFP