【9月10日 AFP】米ナショナルフットボール(NFL)は9日、18シーズン開幕週の大半の試合が行われ、国歌演奏の際の膝つき抗議は新シーズンも続けて行われた。その中でドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、膝つき抗議とNFLの視聴率低下との関係をにおわせるようなつぶやきを投稿している。

 この日はマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)対テネシー・タイタンズ(Tennessee Titans)の試合で、ドルフィンズのケニー・スティルス(Kenny Stills)とアルバート・ウィルソン(Albert Wilson)が膝をついて、またロバート・クィン(Robert Quinn)がこぶしを突き上げて抗議を行った。NFL選手が国歌演奏の際に抗議を行うのは、これで3シーズン連続となる。

 社会正義と人種の平等を求める選手たちの抗議行動は、元NFL選手のコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が2016年に始めたもので、昨季から所属チームのないキャパニックは、ツイッター(Twitter)でドルフィンズの選手たちを称賛している。

「ブラザーのスティルスとウィルソンが、抑圧と闘う揺るぎない強さをまた見せている。攻撃され、脅されてもくじけなかった。彼らの勇気が世界を前進させる! 愛こそが僕たちの抵抗の根幹にあるものだ!」

 一方でトランプ大統領は試合の数時間前、6日に行われたシーズン開幕戦の視聴率が過去数シーズンと比べても振るわなかったことを取り上げ、国歌演奏の際に起立することが視聴率の回復につながるのではと投稿した。

「なんと、NFL開幕戦の視聴率が、かなりひどかった昨年よりもさらに下がった。13パーセントの落ち込みで、ここ10年で最低。選手が米国旗と国歌のために誇らしく立ち、その場面を映せば、視聴率は戻るのでは?でなければ悪化する!」

 キャパニックはサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)に所属した2016年に抗議を始めたが、翌年に自由契約となり、2年間NFLのチームから声がかからない状態が続いている。キャパニックは、各球団のオーナーが自身と契約しないよう申し合わせていると考えていて、NFLを共謀の罪で訴えている。

 その中でキャパニックは先日、スポーツ用品大手ナイキ(Nike)の新広告キャンペーンのメインキャラクターに選ばれている。キャパニックが出演するナイキのCMは、開幕戦の全国中継でも流れた。(c)AFP